【新人戦2026 注目チーム特集】 ボクシング男子 高志館高校 瀬戸口仁選手

SSPフレッシュシリーズ(新人戦)のボクシング競技に向け、高志館高校ボクシング部が新たな戦いへの準備を進めている。
ライトミドル級に出場する瀬戸口仁選手は、高校からボクシングを始めた。極真空手で培った打たれ強さを生かし、相手との距離を詰めてフックやアッパーを繰り出すインファイトを得意としている。
今年のインターハイで全国の舞台を経験し、技術や基礎の差を実感した瀬戸口選手。現在は得意な接近戦を磨くだけでなく、相手の懐へ入るためのステップや、パンチを避けた直後に反撃する動きにも力を入れている。
かちスポでは、瀬戸口選手にインタビュー。極真空手の経験が現在のボクシングに生きている部分や、自身の戦い方、全国大会で見つかった課題、そして「圧倒的に勝つ」と意気込む新人戦への思いを聞いた。

高志館高校 瀬戸口仁選手
頭を使うボクシング 限られた攻撃から相手を崩す
瀬戸口選手が出場するライトミドル級は、65キロから70キロほどの選手が戦う重量級の一つだ。
選手それぞれが強いパンチを持ち、近い距離で打ち合う場面も多い。一方で、相手との距離を保ちながら戦うアウトボクサーもいるため、力だけでは勝ち切れない面白さがある。
「重量級は、選手によってパワーが違います。打ち合う選手もいれば、アウトボクシングをする選手もいます。パンチが効く場面も多いので、そこが面白いと思います」
瀬戸口選手は高校からボクシングを始めた。
それ以前に取り組んでいたのは極真空手。先輩に勧められたことをきっかけに、新たな格闘技へ挑戦した。
空手では蹴りを含めた攻撃ができるが、ボクシングで使えるのは拳のみ。
攻撃手段が限られているからこそ、技術と判断がより重要になると感じている。
「ボクシングは手だけなので、攻撃のレパートリーが減ります。その分、技術も大切ですし、頭も使わなければいけないので、とても難しいです」
相手の顔ばかりを狙い続ければ、攻撃を読まれてブロックされる。そこで瀬戸口選手が意識しているのが、パンチを上下に散らすことだ。
「上ばかりを攻めても、そこだけをブロックされたら攻撃は効きません。上下に打ち分けたり、フェイントをかけたり、いろいろな角度から攻めたりすることが大切です」
顔への攻撃を意識させてボディーを狙い、相手のガードが下がれば再び顔へ打ち込む。限られた攻撃手段の中で相手の意識を動かし、守りを崩す駆け引きに、ボクシングならではの難しさと魅力を感じている。
下がらずに貫くインファイト
瀬戸口選手が極真空手で培った経験の中でも、ボクシングに生きているのが打たれ強さだ。
「自分は極真空手をしていたので、打たれ強いことが自慢です。それがあるから、ボクシングでも打ち合いができていると思います」
瀬戸口選手は、相手にパンチを当てられると、すぐに打ち返したくなる性格だという。
その気質も、接近戦を中心に戦うインファイターのスタイルにつながった。
「自分は殴られると、すぐにやり返したくなるタイプです。
それでインファイトが好きになったのだと思います」
接近戦で最も大切にしているのは、相手に押されても下がらないこと。
相手よりも重心を低くし、近い距離で自分の力を発揮できる体勢をつくる。
「インファイトでは、下がらないことを考えています。
相手より腰を低くして、しっかり打ち合うイメージです」
また、得意としているパンチは、フックとアッパーだ。
横から回り込むフックと、下から突き上げるアッパーを使い、相手の守りを揺さぶる。ただ同じパンチを繰り返すのではなく、顔とボディーを打ち分けながら攻撃を組み立てている。
相手のパンチを受けても下がらず、自分が得意とする距離を維持する。打たれ強さを守りだけに使うのではなく、攻撃を継続するための力に変えている。
全国大会で見つかった課題 接近戦へ持ち込むまでを磨く
瀬戸口選手は、2年生で初めてインターハイに出場した。
全国の選手と拳を交える中で感じたのは、自身との技術の差だった。今後は基本的な動きを改めて磨き、全国大会でベスト8以上に入ることを目標に掲げる。
「全国大会では技術の差を感じました。だからこそ、基礎をしっかり身に付けたいと思いました」
得意なインファイトを生かすには、相手との距離を詰めなければならない。相手が遠い位置で戦う場合、正面から近づくだけではパンチを受けたり、距離を外されたりする可能性がある。
そこで課題としているのが、相手の正面を外れるステップや、パンチを避けた直後に反撃できる体勢だ。
「サイドを取るステップや、パンチを避けた後にすぐ打ち返せる体勢、バランスをしっかり身に付けたいです」
新人戦でも、瀬戸口選手は接近戦でのフックやアッパーだけでなく、そこへ持ち込むまでの動きに注目してほしいと話す。
「遠い距離から中へ入っていかなければならないので、ステップインや頭を振っているところを見てもらいたいです」
頭の位置を動かしながら相手のパンチを外し、一気に懐へ入る。そこから重心を低く保ち、得意のフックやアッパーへつなげる。
試合の見どころは、打ち合いが始まった後だけではない。安全に距離を詰め、自分が有利な展開をつくるまでの足運びや上体の動きにも、全国大会の経験から見つけた課題と成長が表れる。
スロースターターを克服して圧倒へ
新人戦までに克服したい課題として、瀬戸口選手は体力と試合への入り方を挙げる。
接近戦では、常に足を動かしながら相手へ圧力をかけ、近い距離でパンチを繰り出し続ける。試合終盤になると疲れが出て、自分の動きを保てなくなることもあるという。
「自分は最後にばててしまうので、もっと体力を上げていきたいです」
体力強化のため、普段の走り込みに加え、低酸素環境でトレーニングできる施設にも足を運んでいる。苦しくなった場面でも前進を止めず、得意のインファイトを最後まで続けられる体をつくる。
もう一つの課題が、スロースターターであることだ。
「自分はスロースターターなので、第1ラウンドから力を出せるようになりたいです」
試合が進んでから調子を上げるのではなく、開始直後から自分の距離へ入り、先に流れをつかむ。第1ラウンドから積極的に仕掛けられれば、得意の接近戦で相手に圧力をかける時間も増える。
競技力だけでなく、日頃の過ごし方にも意識を向けている。新チームでは、選手同士が挨拶や感謝、礼儀を忘れず、私生活でも注意を受けない姿を目指す。
「毎日の挨拶や感謝、礼儀を忘れず、私生活から全員が注意されない生活をしていきたいです」
ボクシング部を離れた場面でも挨拶を欠かさず、支えてくれる人への感謝を言葉にする。普段の行動を整えることも、試合へ向かう姿勢の一部だ。
新人戦では、相手も同じように練習を重ね、力を伸ばしてくる。その成長を上回るため、瀬戸口選手は残された時間で自分をさらに追い込む。
「相手も練習してレベルを上げてくるので、それに負けないくらい自分を追い込んで、圧倒的に勝ちます」
頭を振りながら距離を詰め、相手よりも低い重心で前進する。打たれても下がらず、上下への打ち分けからフックとアッパーを打ち込む。
全国大会で知った技術の差を基礎から埋め、試合開始から持てる力を出し切る。
瀬戸口仁選手が、重量級らしい迫力と頭を使った駆け引きを武器に、新人戦で圧倒的な勝利を目指す。
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