【新人戦2026 注目チーム特集】 ソフトボール 佐賀女子高校 曽我菜月・北里妃茉莉選手
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SSPフレッシュシリーズ(新人戦)が各競技で幕を開ける中、佐賀女子高校ソフトボール部も新チームとして最初の大きな公式戦を迎える。
主力として試合に出場してきた3年生がチームの中心から離れ、2年生13人が軸となった新チーム。飛び抜けた力を持つ一人に頼るのではなく、選手同士が競い合い、それぞれの役割を果たしながら全員で試合をつくろうとしている。
新チームでライトを守る曽我菜月選手は、攻守のプレーを通してチームを引っ張ることを意識する。一方、セカンドを務める北里妃茉莉選手は、けがでプレーできない現在だからこそ、グラウンドの外からチームを見つめ、仲間へ声を届けている。
かちスポでは、佐賀女子高校ソフトボール部の曽我選手と北里選手にインタビュー。新チームで担う役割やチーム内での競争、3年生が抜けた後の課題、そして新人戦への思いを聞いた。

佐賀女子高校ソフトボール部 曽我菜月・北里妃茉莉選手
新チームで2人が担う役割
曽我選手が守るライトは、外野手でありながら内野手のような素早い判断も求められるポジションだ。
特に狙っているのが、ライト前に飛んだ打球を処理し、一塁へ送球して打者走者をアウトにする「ライトゴロ」。一つのプレーで試合の流れを引き寄せ、チームを勢いづけることができる。
「ライトは内野とほぼ同じだと思っています。ライトゴロを刺すことが花形なので、飛んできたボールをすべてアウトにして、チームを盛り上げることを意識しています」
チームを引っ張る上でも、曽我選手は言葉よりプレーで示すことを大切にしている。
「自分は声を出して雰囲気を良くするタイプではないので、とにかくプレーで見せていきたいです。1番バッターになることもあるので、打席ではとにかく塁に出て、守備でもプレーで引っ張りたいと思っています」
先頭打者として出場するときは、まず塁に出て攻撃のきっかけをつくる。守備では、飛んできた打球を確実にアウトにする。攻守で見せる姿を通して、仲間を引っ張ろうとしている。
一方、北里選手が守るセカンドは、打球への対応だけでなく、状況に応じたポジショニングや周囲との連係が欠かせない。
「セカンドは、内野の中でも頭を使うポジションだと思っています。ポジショニングや連係プレー、内野同士でコミュニケーションをしっかり取ることを意識しています」
現在はけがのため、新人戦でプレーすることが難しい状況にある。それでも、グラウンドに立てないからこそ見えるものを、チームへ伝えようとしている。
「できないからこそ、周りからチームを見て、声掛けや指示をすることを意識しています。キャプテンの吉山さんが困っているときには一声掛けたり、『今のチームはこういう状況じゃないか』と、外から見えたことを伝えたりしています」
プレーで流れを生み出す曽我選手と、外からチームの状態を見つめる北里選手。立っている場所は違っても、それぞれにできる方法で新チームを支えている。
高めあえるチームに
新チームには、飛び抜けた力で全体を引っ張る選手はいないと、曽我選手は話す。
だからこそ、一人一人が謙虚な気持ちを持ち、誰かに任せるのではなく、全員で一つになることを目指している。
「飛び抜けて上手な選手がいるわけではありません。一人一人が謙虚な気持ちを持って、誰かに引っ張られるのではなく、全員で一つになれることが今年の強みだと思います」
一人の活躍に頼るのではなく、それぞれが自分の役割を果たす。一つの好プレーが生まれたときには全員で喜び、その勢いを次のプレーへつなげることが新チームの目指す形だ。
現在は、守備位置や打順も完全には固まっていない。北里選手は、誰にでも試合へ出場する可能性がある状況が、チーム内の競争につながっていると考えている。
「誰がどこを守るのか、この人が何番を打つのかも、まだ決まっていません。全員に試合へ出る可能性があります。仲間ではありますが、その中でライバルでもあり、チーム内で競い合うことができています」
同じ目標へ向かう仲間であると同時に、レギュラーや打順を争うライバルでもある。互いの存在が刺激となり、一人一人が練習へ向き合う原動力になっている。
ただ、競争するだけではない。練習で誰かがミスをしたときには、個人だけの課題で終わらせず、全員で原因と改善方法を考える。
「練習で出たミスについて、自分たちで話して考え、次の練習でその失敗をどう生かすかを考えています。一つの失敗から全員が学べるようにしています」
一つの失敗をチーム全体の経験に変える。互いに競い合いながらも、課題や気付きを共有することで、新チーム全体の力を引き上げようとしている。
全員で求める勝つための1点
新チームになって感じている大きな課題の一つが、打撃力だ。
これまでチームを支えてきた3年生は、多くの選手がレギュラーとして試合に出場していた。その主力が一度に抜けたことで、打線には大きな穴が生まれている。
「3年生が抜けて、打撃力が一気に下がりました。先輩方は全員がレギュラーとして試合に出ていたので、その穴を埋めることが大変です」
これまで出場機会の少なかった選手も、新チームでは試合の中心を担う。北里選手は、公式戦を経験してきた2年生が、その経験を生かして周囲を支える必要があると考えている。
「夏までメンバー外だった選手たちも、新チームでは主軸になります。試合慣れしていない選手もいるので、夏まで試合に出ていた2年生が引っ張っていけるようにしたいです」
曽我選手が個人として目指しているのは、勝負どころで結果を残せる打者だ。
「今の佐賀女子には、確実にホームランを打てるような打者が少ないと思います。ここぞというときに打てる、チャンスに強いバッターになりたいです」
その目標に近づくため、朝と夜の自主練習にも継続して取り組んでいる。ティーバッティングや基礎的な守備練習など、全体練習だけでは補いきれない部分を繰り返し確認する。
佐賀女子高校の自主練習は、選手の判断に委ねられている。だからこそ、自分に必要な練習を考え、毎日欠かさず積み重ねることを大切にしている。
一方で、新チームが目指す攻撃は、一人の長打だけに頼るものではない。
「ここぞというときに1点を取れるようにしたいです。誰か一人が打つというより、つないで、つないで、つないで、全員で1点を取りたいです」
一人一人が次の打者へつなぎ、走者を進め、得点へ結び付ける。突出した打者がいないからこそ、全員が「絶対につなぐ」という気持ちを共有しなければならない。
3年生が残した大きな穴を、一人で埋めるのではなく、全員の力で埋めていく。打線として「あと1点」を奪えるかが、新人戦の勝負を左右する。
新人戦で魅せる 全員で戦う明るさと力強さ
曽我選手が新人戦で見てほしいと話すのは、個人の目立つプレーだけではない。
一つのアウト、一つの出塁、一つの得点を全員で喜び、ベンチを含めたチーム全体で戦う姿だ。
「飛び抜けた選手がいないので、個人のプレーというより、チームの雰囲気を見てほしいです。佐賀女子は全員で戦っているという力強さを見てほしいです」
北里選手も、新チームの中心となる2年生の明るさを見どころに挙げる。
「私たちの学年は13人と人数が多く、全員が明るいです。自分たち2年生で試合をつくっていけるような雰囲気で戦いたいと思います」
新人戦までに残された時間は少ない。北里選手は、短期間で技術を大きく変えようとするのではなく、今のチームが持っている力を最大限に発揮できる準備を進めたいと話す。
「試合まで残り1週間もなく、技術を大きく変えることは難しいと思います。今、自分たちにできる最大限のことをやって、どんな状況になっても自分たちらしく、笑顔で明るく戦えるように残りの時間を使いたいです」
曽我選手は、攻守でチームを引っ張る覚悟を新人戦への言葉に込めた。
「何があっても下を向かず、チャンスでは必ず打ち、飛んできたボールはすべてアウトにしたいです。自分がチームを引っ張っていくという強い気持ちと、負けない気持ちで頑張ります」
北里選手も、思うようにいかない時間を含め、この新チームで過ごす最後のシーズンを大切にしようとしている。
「新チームになって、うまくいかないことも多くありましたし、これからも増えると思います。それでも、自分たちにとって最後の年なので、後悔しないように楽しみたいです。最後に『このチームで良かった』と思えるように、日本一を取るため、全員で頑張りたいです」
プレーでチームを引っ張る曽我選手と、プレーできない今だからこそ外から仲間を支える北里選手。
誰か一人の力に頼るのではなく、一つのプレーを全員で喜び、打線をつないで1点を奪う。2年生13人の明るさと、全員で戦う力強さを武器に、佐賀女子高校ソフトボール部が新人戦へ挑む。
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