【新人戦2026 注目チーム特集】 ソフトボール 佐賀女子高校 吉山和心主将
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SSPフレッシュシリーズ(新人戦)が各競技で幕を開ける中、ソフトボール競技の新人戦も間もなく始まる。
新体制で大会へ向けた準備を進める佐賀女子高校ソフトボール部。全国各地から選手が集まり、県内屈指の強豪として”全国制覇”という高い目標を追い続けている。3年生がチームの中心から離れた現在は、これまで先輩たちについていく立場だった選手たちが、自ら考え、新たなチームをつくり始めた。
その中心に立つのが、東京から佐賀女子高校へ進学し、新主将を務める吉山和心選手だ。長く務めてきたキャッチャーからファーストへ転向し、新たなポジションに挑戦しながら、プレー以外の部分でもチームを支えようとしている。
かちスポでは、吉山選手にインタビューを行い、新チームが目指す姿、主将としての役割、そして新人戦への思いを聞いた。

佐賀女子高校 ソフトボール部主将 吉山和心選手
佐賀女子高校でプレーする理由
佐賀女子高校ソフトボール部には、全国各地から選手が集まっている。吉山選手によると、3年生を含めても佐賀県内出身の部員は3人で、ほかの選手は県外から進学してきたという。
かく言う吉山選手自身も、出身は東京。
関東にも多くの強豪校がある中で、幼い頃から知っていた佐賀女子高校への進学を決めた。
「私が幼い頃、ソフトボールを始めたときから佐賀女子高校を知っていました。ずっと強いチームだったこともあって、関東のチームよりも、やっぱり佐賀女子という想いが大きかったです」
佐賀に来て感じたのは、言葉や生活環境の違いだけではなかった。ソフトボールへの向き合い方にも、これまでとは異なる印象を受けたという。
「プレー面だけではないんですけど、方言などの違いもありました。
競技では、関東よりも九州の方がより愚直にソフトボールに向き合っているように感じます」
憧れてきた強豪校に入り、仲間とともに全国制覇を目指す。新しい環境に飛び込んだ経験は、吉山選手自身の競技への向き合い方にも影響を与えている。
新チームが目指す姿は「応援され、愛されるチーム」
吉山選手が主将に指名されたのは、国民スポーツ大会の予選が終わった後だった。
監督からミーティングの場で突然告げられ、最初に感じたのは驚きだったという。
「びっくりしたというのが一番でした。でも、その分、チームにもっと影響を与えられる存在、
必要とされる存在にならなければいけないと感じました」
それまでチームを引っ張ってきた3年生が中心から離れたことで、その存在の大きさにも改めて気付いた。
「今までは、自分たちはついていけばいいという立場でした。でも、3年生がいなくなり、引っ張る人がいなくなって、ありがたい存在だったんだな、すごく大きな存在だったんだなと改めて感じました」
先輩たちに任せるのではなく、自分たちでチームの方向性を決めなければならない。新チームでは、選手同士で意見を出し合い、ミーティングを重ねてきた。その中で掲げたのが、周囲から「応援され、愛されるチーム」になることだった。
「今まで、もっとこうしてみたかったと思っていたことを、みんなで意見を出し合いました。その中で『応援されるチーム、愛されるチーム』という言葉が出たので、今は全員で意識しています」
その姿勢は、必ずしも試合中だけに求めるものではないと言う。
日頃の挨拶やごみ拾いなど、ソフトボールから離れた場面での行動も徹底している。
吉山選手自身が大切にしているのは、周囲が見過ごしてしまうような小さなことにも気付くことだ。
「ごみ拾いなど、ほかの人が気にしないようなところや、『まあいいか』で終わらせてしまうところを、なるべくなくすように心がけています」
目立つプレーだけでなく、日々の何げない行動を積み重ねる。その姿勢が、応援されるチームをつくる土台となっている。
目標は全国制覇 豪快さを支える基礎と守備力
新チームが掲げる結果面での目標は、全国制覇だ。
佐賀女子高校に入学したときから変わらない大きな目標だが、吉山選手は結果だけを見るのではなく、そこへ至るまでの基礎を大切にしたいと考えている。
「具体的にここまでというのは難しいんですけど、基礎を徹底して、重点的に取り組めたらいいなと思っています」
体力づくりに加え、ゴロの捕球や球際の強さ、打撃でのミート力など、試合を支える細かな技術に目を向ける。
「みんなホームランを打つことなど、大きな目標に意識が向いてしまうと思います。でも、私たちのチームは、そういう細かいところに重点を置けたらいいのかなと思っています」
新チームの競技面での強みは、複数のポジションをこなせる選手がそろっていることだ。
内野と外野にかかわらず、選手が状況に応じて的確なポジションで実力を発揮できるという。
「いい意味で、全員がどこでも守り切ることができるのが強みだと思っています。内野や外野にかかわらず、いろいろな人がいろいろなポジションをできるところが、良い面だと思います」
特定の選手だけに頼るのではなく、全員が持ち味を発揮しながら守り抜く。
選手個人が各自の強みを持ち寄りながらプレーに臨む姿勢が、新チームの大きな武器になりそうだ。
ソフトボールならではの魅力として、吉山選手はスピード感を挙げる。
野球と比べて塁間や投手との距離が短く、一つ一つのプレーが素早く展開される。
その速さに対応するため、ベンチとグラウンドを行き来する際も全力で動くことを意識している。
「ベンチへ戻るスピードや、グラウンドへ出るスピードを、より速く、
ダッシュで行うことを心がけています」
試合のプレーだけを速くしようとするのではなく、普段の練習から行動を速くする。日々の動きにスピードを求め、くせを付けることで判断や切り替えの速さを身に付けている。
新チームで挑む ”声と笑顔でつなぐ新人戦”
吉山選手は、これまで長くキャッチャーを務めてきた。
新チームではチーム事情などもあり、ファーストへ転向。新しいポジションに挑戦して約1カ月だという。
キャッチャーとは違い、ゴロの処理など、内野手としての基本的な守備も求められる。
「今までずっとキャッチャーをしていたので、ゴロを捕ることや、通常の守備をすることに慣れていません。やっぱりそこに難しさを感じています」
慣れないポジションで技術を磨く一方、自分にできるチームへの貢献も考えている。
「自分は周りの選手と比べて、特別技術が高いわけではありません。だからこそ、声などの技術面以外の部分でチームを支え、明るくしていける、頼れる場所でありたいと思っています」
新人戦で見てほしいと語るのも、新チームの元気な声と笑顔だ。
「今年のチームならではの元気さや声、プレーの合間に出てくる笑顔など、一人一人が輝いているところを見ていただきたいです」
プレー面では、佐賀女子高校の伝統でもある豪快なスイングを見どころに挙げる。ただ大きな当たりを狙うだけでなく、新人戦までに磨きたいのは、打線としてつながる攻撃だ。
「打線をつなげて、残塁をなくしていくことを突き詰めていきたいです」
吉山選手自身は下位打線を任されることが多い。その状況で意識していることは
自分で攻撃を終わらせることなく、後ろや上位打線へつなぐ打撃をすることだという。
チームの強みである豪快なスイングを得点に結び付けるためには、一人一人が役割を果たし、走者を次の塁へ進めることが欠かせない。目立つ一打だけでなく、打線として得点を生み出せるかが新人戦のポイントになる。
先輩たちが築いてきた伝統を背負い、新たなチームで迎える最初の大きな公式戦。吉山選手は勝利への決意を言葉に込めた。
「新人戦では、先輩方がつないできてくださった伝統を途切れさせないように、
佐賀女子らしい良い試合をして、勝ちにこだわっていきたいです」
応援され、愛されるチームを目指しながら、試合では結果にこだわる。声と笑顔、どこでも守れる対応力、豪快なスイングとつながる打線を武器に、新主将の吉山選手が率いる佐賀女子高校ソフトボール部が新人戦に挑む。
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