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「54%の勝負強さを」――鳥栖商業女子テニス部・松信聡先生が語る、総体への思い

配信:
2025/5/19 6:00:04
取材:
2025/5/7 7:00:00
「54%の勝負強さを」――鳥栖商業女子テニス部・松信聡先生が語る、総体への思い
高校総体鳥栖商業高校テニス

いよいよ、高校生たちの熱き夏が始まる――。

各競技の頂点を懸けた高校総体が、今年も幕を開ける。これまで積み重ねてきた努力、仲間との絆、そして競技に懸ける思いを胸に、多くの選手たちが最後の舞台に挑もうとしている。
高校最後の大舞台となる総体を前に、鳥栖商業高校女子テニス部の松信聡先生に、現在のチームの様子やキャプテンのこと、そして大会への期待をうかがった。

ーー今のチームについて

「シングルス1の長友は、最近やっと結果が出てきて、勝ち方がわかってきたのかなと思います」と松信先生。これまで努力を重ねてきたエースが、ようやく自分の勝ちパターンをつかみつつあるという。
「長友がシングルス1で勝負しながら、ダブルスならではの戦術で3ポイント中2つを取りにいける試合ができれば理想です」とも話すように、彼女を軸としたチーム構成。
5本勝負の新人戦と比べ、総体は3本勝負。人数が少なく層が薄いチームにとってもチャンスがある。「なんとかワンチャンスあるのでは」と、松信先生の目には希望が宿っている。


ーーキャプテンは「一番客観的な目を持つ選手」

今のチームを引っ張るのは、キャプテン才津文音選手。
「彼女は一番客観的に周囲を見られる選手。下の面倒も見られるし、トータル的に見てこの子しかいないと思いました。あと、彼女はソフトテニス出身で、高校から硬式テニスに挑戦していることもあり、そういった挑戦する姿勢を後輩も見てくれるかなと思った」と、選出の理由を語った。

ーー目指すのは「54%の勝負強さ」

「練習から、1本でもいい加減なボールは打たない。もっと突き詰める必要がある」と松信先生は話す。その上で重要なのが“勝負強さ”だ。
「同じくらいの実力なら、相手よりほんのちょっとだけでも上回っていないといけない。だからこそ、相手より4%上回ることが大切なんです」
この「4%」という数字は、元男子プロテニス選手・ロジャー・フェデラーのスピーチに由来する。彼のキャリアにおける通算勝率は約8割だが、ポイント獲得率はわずか54%だったという。
「トップ選手ですら、ポイントの半分近くは失っている。だからこそ、1点のミスを気にせず、全部を取ろうとするのではなく、“4%多く取る”ことを目指してほしい」
この話は、選手たちの心にも響いているようだ。

ーー背負うのは「自分以外の思い」

最後に、総体に臨む選手たちへの思いを聞くと、松信先生はこう語った。
「自分のためだけじゃなく、いろんな人の思いを背負ってコートに立ってほしい。どんな結果であれ、そんな人たちが喜ぶようなプレーをしてくれたら」

勝敗を超えた場所にある“人の思い”を背負って戦う鳥栖商業女子テニス部。松信先生と選手たちの挑戦に、注目が集まる。

記事
株式会社WIDE - 永石恒陽

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