「全国優勝」と「人としての成長」を目指して 鹿島高校男子弓道部・松尾凌大主将が語る
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いよいよ、高校生たちの熱き夏が始まる――。
各競技の頂点を懸けた高校総体が、今年も幕を開ける。これまで積み重ねてきた努力、仲間との絆、そして競技に懸ける思いを胸に、多くの選手たちが最後の舞台に挑もうとしている。高校総体を目前に控えた鹿島高校男子弓道部。圧倒的な選手層と実力で注目を集めるチームを率いるのは、3年生キャプテン・松尾選手。静かに背中で引っ張るリーダーとしてチームをまとめる彼に、チームの目標や大会への思いを聞いた。
2つの目標――全国優勝と人間的成長
鹿島高校弓道部が掲げている目標は、「全国大会で優勝すること」と「人として成長すること」。一見かけ離れたように思えるこの二つを、チームはどちらも本気で追い求めている。
「コーチから『弓を引いているだけじゃ、的には当たらない』と言われたときに、普段の生活がプレーにつながっていると気づきました。応援される選手じゃないと勝てない。だから、礼儀や報連相、学校生活での行動も大切にしています。」
当たり前のことを、当たり前にできるようになること。その積み重ねが、試合での集中力や安定したプレーに直結している。
団体としての一体感が武器
チームの強みを聞くと、松尾キャプテンは即答した。
「入場から退場まで、出場者全員の動きがそろっていることです。団体戦で勝つためにも必要ですが、見ている人に“きれいだ”と思ってもらえるような姿勢を意識しています。」
息の合った動きは、チームの結束力の証。その意識が弓道にも反映されている。
新人戦から九州大会へ――経験が力に
新人戦では団体優勝を逃したが、その反省から大きな成長があったという。
「試合の待ち方や集中の仕方など、ばらばらだった部分を見直して、チームで同じ方向を向けるように取り組みました。」
その成果は、九州大会でライバル・早稲田佐賀に勝利しての第3位入賞という形で現れた。
「緊張の糸を張るときと緩めるときのバランスを、全員が意識できたのが良かったです。でも、まだ突き詰められる部分はあったと思います。悔しさもあるけど、それも成長の手ごたえです。」
高校総体へ――「負けない弓道を」
最後に、総体への意気込みを聞いた。
「チームとして“負けない弓道”をしたい。相手よりも1射でも多く的に当てる。それができるように、自分たちの弓道を出し切ります。」
株式会社WIDE - 永石恒陽