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【2025 インターハイ前特集 女子バレーボール】「まずは一勝。そして“自分たちのバレー”を」―鳥栖商業、6年ぶりの全国へ

配信:
2025/8/3 6:00:04
取材:
2025/7/23 6:00:00
【2025 インターハイ前特集 女子バレーボール】「まずは一勝。そして“自分たちのバレー”を」―鳥栖商業、6年ぶりの全国へ
高校総体鳥栖商業高校バレーボール

― 鳥栖商業女子バレー部、6年ぶりのインターハイへ ―
佐賀県代表として6年ぶりのインターハイ出場を決めた鳥栖商業女子バレーボール部。その指揮を執るのは、就任1年目に全国の舞台を経験し、以来チームを率いてきた行武泰信監督。苦難の5年間を経て再び全国へと駒を進めた今、改めてこの舞台の重みと、そこに至るまでの歩みを語ってもらった。

鳥栖商業 行武泰信監督

ーーー6年ぶりの全国切符は、偶然ではない

「昨年は決勝で惜しくも敗れて、本当に悔しい思いをしました。今年のチームは2年生主体で、当初は“来年こそ”という気持ちでいたんですが、巡り合わせに恵まれ、インターハイの切符を掴めたことは素直に嬉しいです」
2024年、県大会準優勝のリベンジに燃える想いとともに、鳥栖商業は成長を重ねてきた。

ーーー 小型化するチーム、磨いた“工夫のバレー”

コロナ禍や選手の体格の変化という難題の中、指導者としての行武監督も戦い方を根本から見直してきた。
「1年目にインターハイに出場した次の年からコロナの影響で大会に出場することも許されなくなり、選手も他県の選手と比べると小型化していきました。そのため、バレーの戦術も変えながら試行錯誤してきました」

指導者としての経験を活かし、監督が重視してきたのは、小柄な選手たちでも勝てるバレーだ。
「以前は中学生の指導もしていて、小さい選手がどうやって戦うかをずっと考えてきました。まずは粘り強い守備を築くこと。そこから早い切り替え・展開・攻撃、そして最後は相手が嫌がるような攻め方――例えば強打だけでなく、緩い球やブロックアウト、空間に落とすボールなどを使って、工夫を重ねてきました。」

ーーーリベロから始まる攻撃、戦術の要に

「毎年いいレシーバーはいますが、今年の2年生リベロは特に技術が高い。鳥栖商業のバレーは、守備の要であるリベロを起点に攻撃を展開しますし、うちではリベロがセッターの役割もこなす。冷静な判断力と技術を持っているからこそ、彼女が流れを変える場面も多く、チームにとって非常に大きな存在です」

ーーーサーブとレシーブは譲らない

変化に柔軟に対応しながらも、鳥栖商業が一貫して大切にしてきた「軸」もある。それが、サーブとレシーブへのこだわりだ。
「この2つに関しては、どこにも負けないという自負を持っています。バレーの土台となる部分だからこそ、磨き続けています」

ーーー 自主性に目覚めた若き主将たち

三年生が少ないチーム。だが、その中でも選手たちは自ら考え、行動し始めている。
「九州総体後に課題を自分たちで整理し、練習に取り組むようになった。自主的に動けるようになったことが、ここにきてプレーの安定にも繋がっていると思います」

ーーー まずは1勝、そして「自分たちのバレー」を

いよいよ迎えるインターハイ。鳥栖商業のバレーが、全国でどこまで通用するのか。それを確かめる場がやってくる。
「まずは一勝。それが大きな自信になる。そして、彼女たちがこれまでやってきた“自分たちのバレー”を、全国の舞台でも堂々とやってほしいですね」
技と頭脳で挑む、粘りと工夫のバレー。全国の大舞台で、鳥栖商業の小さな巨人たちが躍動する瞬間を、ぜひ目に焼き付けたい。


インターハイは8月6日(水)から、ジップアリーナ岡山にて開催される。

記事
株式会社WIDE - 永石恒陽

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