【2025 インターハイ前特集 女子バレーボール】仲間を支え続けた寺田絢音マネージャーのインターハイ

― 鳥栖商業女子バレー部、6年ぶりのインターハイへ ―
6年ぶりのインターハイ出場を決めた鳥栖商業女子バレー部。その快挙の裏には、コートには立たずとも、選手たちと同じ時間を走り抜けた“もう一人のキャプテン”の存在があった。寺田絢音マネージャー。緊張に揺れる選手の背中をそっと押し、時に指導者の代わりに声をかける彼女の姿は、確かにチームの屋台骨だった。支えることの尊さと、仲間との絆を語った。
鳥栖商業 寺田絢音マネージャー
久保山選手(左)、寺田マネージャー(右)
ーーー目指してきた「全国」への道
「みんな部活に入る前からインターハイ出場を目標にしていました」
喜びを噛み締めながらそう語る寺田マネージャー。日々の練習や遠征を支えながらチームの一員として、全国を目指してきた。
「色々きついこともあったけど、ちゃんと結果を残せてすごく嬉しいです」
ーーー “家族”を支えた日々
選手とは違い、コートの外から仲間たちを見守る立場だった寺田さん。
「選手のつらい気持ちに完全に共感することは難しい部分もありました。でも、一番近くで見てきたからこそ、自分達の代で行けたことは夢みたいです」
試合中には緊張で固くなる選手たちに、リラックスできるような声かけを忘れなかったという。
「ささいなことでも“ありがとう”って言ってもらえると、キャプテンをやっていてよかったなと思えました」
ーーー「バレー以外は全部マネージャーがやる」覚悟
寺田さんは監督から「監督が指示しにくいことも全部やってくれる」とも評される存在だ。
「みんなは全国を目指して入ってきているから、プレーに集中できるように。バレー以外は全部マネージャーがやるぐらいの気持ちで動いていました」
呼びかけ程度しかできないこともある中で、体調管理、道具の準備…。見えない努力が、選手の安心感につながっていた。
ーーー 鳥栖商業らしさは「支え合い」
バレー部の雰囲気を問うと、迷わず「家族です」と即答した寺田さん。
「お互いに支え合える、そんな仲間です。どんなときもあきらめない、粘り強さもチームの強さだと思います」
インターハイで見てほしいプレーとしても、「小柄な選手が多い中で、粘りのバレーで頑張るところを見てほしい」と話す。
ーーー支えてくれた人たちへ
最後に、全国の舞台へ向けての意気込みを尋ねると、感謝の思いが溢れ出た。
「今まで本当に多くの人に支えられてきました。なかなか恩返しの機会がなかったけど、インターハイで鳥栖商業らしさを発揮して、感謝の気持ちを届けたいです」
インタビューを通して感じた、確かに“チームの柱”だった寺田絢音マネージャーの存在。彼女が築いた信頼と支えは、間違いなく鳥栖商業の強さを支えている。コートに立つ選手とともに、マネージャーの存在にもぜひ注目してほしい。
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インターハイは8月6日(水)から、ジップアリーナ岡山にて開催される。
株式会社WIDE - 永石恒陽