【佐賀県高校サッカー選手権特集】Part2 佐賀東サッカー部 蒲原監督「やっている選手も見ている人も面白いサッカーを」

10月7日(土)に開幕した第102回全国高校サッカー選手権大会 佐賀県大会。第一シードの佐賀東高校は10月28日(土)に初戦を迎える。
今年は新人戦と高校総体の二冠を達成している佐賀東高校サッカー部。高校サッカーの集大成となる選手権大会に、県内大会三冠と2年ぶりの全国への切符をかけて臨む。主将の宮川選手をはじめ、1年生のときから選手権で活躍をしたメンバーが中心となってここまでチームを引っ張ってきた。
今回は、優勝候補筆頭として注目の集まる佐賀東高校サッカー部の主将と監督にインタビューを行った。
全二回のうち、第二弾となる本記事では佐賀東高校を率いる蒲原監督にお話を伺った。
監督 蒲原晶昭 先生
ー選手権の初戦も迫ってきました。チームの仕上がりは。
今からですね、最後の仕上げは今からです。いろんなことを試しながら今に至っているので、初戦に向けて、これまでに試した「いろんなこと」を最後1つにまとめていく作業をやっていきます。
ー新人戦の優勝からはじまり高校総体でも優勝。その後、今に至るまでの4カ月はどのようにチームを強化していきましたか。
九州プリンスリーグがあっていましたが、結果としてはどちらかと言うと上手くいかなかったことの方が多かったです。ただ、その中でも相手チームと私たちとの関係を見て、システムを含め様々なことを試しながら、良いところを伸ばしたいと思ってこの4カ月はチャレンジしてきました。特に"個"の部分では成長を感じています。この4カ月でやってきたことが材料として揃ってきたので、あとはそれを一つにまとめるという作業をしていきたいですね。
ープリンスリーグでは順位こそ7位となっていますが、九州の強豪チーム相手に内容・結果ともに善戦が多かったのでは。
本当に僅差というか、勝ってもおかしくない中で(勝利が)ポロリとこぼれ落ちたような試合も多かったなという印象です。順位的にはこうなってしまっていますが、ちょっとしたところでの取りこぼしで結果がこうなってしまっているだけで、今、上位につけているチームに対しても良い試合をできていますし、力関係的に大差はないと感じています。
ープリンスリーグの強豪相手と対等に戦ってきた中で、チームとしてどのような成長を感じますか?
攻撃面では、外からの攻撃が得意なチームなので、それが主流になってしまっていますが、中での崩しにもトライしようという話はしています。そこも少しずつ形になってきたので、選手権では中央の崩しからも得点を奪うことができるように、最後、仕上げていきたいです。
守備面では、4バックにしたり3バックにしたりと状況に応じて一試合の中でも柔軟にやり方を変えることができるようになってきました。選手の主体的な行動も促しながら、対戦相手に応じて臨機応変に守り方も変えられるというのは、例年のチームと見比べてもなかなか無いことですので、良いチャレンジができていると思います。
ー今年から選手権は第1~第4シード校は3回戦からの登場というレギュレーションになりました。例年と比べて何か変化はありましたか?
決勝戦までの試合数が1試合少なくなるのは例年と違いますが、大した差は無いかなという印象です。
ーこれまで何度も佐賀東高校で全国大会に出場された蒲原先生にとって"選手権"とは。
高校生は、「選手権で活躍したい」と思って高校サッカーを始めるもので、たしかに監督として何回も全国大会に行かせてもらっていますが、選手にとっては3回のチャレンジしかないわけですからね。3回のチャレンジの中でどれだけ自分がやれるかという想いを持って選手は日々練習を頑張っいるので、我々はそれをしっかりサポートするだけです。選手にとって、選手権は憧れの舞台ですからね。思う存分、悔いの残らないように頑張って欲しいなと願っています。
ー昨年は県大会準決勝で佐賀商業に敗れましたが、そのときピッチに立っていた宮川選手や江口選手らが今は中心となっています。悔しさを経験した彼らにどんなことを期待しますか。
どんなに3年間努力したとしても、あのたったの80分の中で流れが変わると思うような結果が得られないことがある、というのがサッカーの怖さでもあります。W杯で日本がスペインやドイツに勝ったように、例えば、力関係が8:2のチームが試合をしたとしても、やり方次第では「2」の方が勝つことがあるのがサッカーです。だからこそ、サッカーは世界的に人気のあるスポーツなわけで。
今年、佐賀東は新人戦・総体と優勝して、どうしても「佐賀東が力関係としては上だな」という見られ方をされがちですが、選手権は一発勝負ですし、相手も力をつけているので仮に自分たちの方に分があったとしても結果はどう転ぶか分からないのです。昨年の選手たちには、どう転ぶか分からない戦いの中で結果的には残念な思いをさせてしまいました。100%勝てるチームなんてもちろんこの世に存在しないのですが、昨年の悔しさを踏まえ、限りなくそれ(100%)に近づけていくためにここからさらにチーム力を上げていく、それが昨年から出ている選手に期待することですかね。
ー最後に、応援している方に選手権の注目ポイントを教えてください!
私たちにとってずっと変わらないことは、「勝つためには手段を選ばない」サッカーではなく「やっていても、見ていても面白いな」と思えるようなサッカーをということです。状況判断をきちんとしながら、意図的に攻める・守るという部分にはこだわってやってきましたので、結果と内容が一体となるようなサッカーを繰り広げていきたいですね。そういった部分に注目しながら観ていただけたらと思います
県内大会三冠&2年ぶりの選手権全国大会へ!佐賀東高校の初戦は2023年10月28日(土)、サンライズパーク球技場北にて行われる。
対戦相手は北陵高校で、10時キックオフ予定。
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