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【2025全国高校野球 直前特別取材】「新しい風を自分たちで」宮﨑淳多、仲間と挑む甲子園への道

配信:
2025/8/4 6:00:05
取材:
2025/7/26 2:00:00
【2025全国高校野球 直前特別取材】「新しい風を自分たちで」宮﨑淳多、仲間と挑む甲子園への道
高校総体佐賀北高校野球

2007年、佐賀北高校が甲子園で見せた“がばい旋風”は、今も多くの人の記憶に残る熱い夏だった。あれから18年、その年に生まれた新たな世代が、ふたたび佐賀北の名を全国に届けようとしている。
今年の主将・宮﨑淳多選手もまた、あの夏の記憶を受け継ぐ一人だ。しかし彼の視線は過去ではなく、今をともに戦う仲間と、目の前の甲子園に向いている。

佐賀北 宮﨑淳多主将

ーーー休息を経て、もう気持ちは甲子園へ

県大会優勝から一週間。少しのオフを挟んで、宮﨑主将はすでに次なる目標に向かっている。
「二日間オフがあったので、そこで体をしっかり休めることができました。病院に行ってメンテナンスをしたり、自分の好きなことをしてリラックスできたのも良かったです。もう今は、甲子園に向けてひたすらやるだけ、という気持ちです。」

ーーー秋好の一打が、チームに流れを変えた

印象的だった試合は。と問うと、宮﨑主将は準決勝の鳥栖高校戦を挙げた。
「初回に2点を先制されて、なかなか追いつけないままでした。でも六回に、代打の秋好が同点タイムリーを打ってくれて。あの一打が本当に大きかったですし、彼のおかげで今のチームの雰囲気があると思います。」
1本のタイムリーが、チームの空気を変え、勢いを呼び込んだ。キャプテンとして、それを誰よりも強く感じていた。

ーーー役割を全うする“佐賀北の野球”

バントや堅実な守備を武器に勝ち抜く“佐賀北らしい野球”は、今大会でも健在だった。
「送るところはしっかり送って、打つところでは打つ。チーム全体が一人ひとりの役割をちゃんと果たせた大会だったと思います。」
甲子園の舞台でも、そのスタイルは貫くつもりだという。
「自分たちの野球を信じて、いつも通りで臨みたいです。」


ーーー「いつも通り」を支えるキャプテンの声

初めての甲子園に臨む仲間たちを、主将としてどう支えていくのか。宮﨑選手の答えは、驚くほど冷静で、頼もしさに満ちていた。
「みんな甲子園は初めてだと思うので、どうしても浮き足立ちやすい。でも、そこを自分がしっかり声をかけて、落ち着いてプレーできるように。キャプテンとして、いつも通りの雰囲気を作っていきたいです。」


ーーー“がばい旋風”を知る世代として

奇しくも今の3年生は、2007年、佐賀北が全国制覇を果たした年に生まれた世代。その縁をどう捉えているのか、宮﨑主将はこう語る。
「話としては聞いたことがありますし、もちろん意識もしています。でも、それに縛られると自分たちの本領が出せないと思うんです。だから僕らは“また新しい風を起こそう”という気持ちで戦います。」

ーーー楽しむ気持ちと、全力のプレーで魅せる

聖地・甲子園。緊張の場でもあるが、宮﨑主将の胸には“楽しみ”の方が大きいという。
「はい、やっぱり楽しみな気持ちのほうが強いです。全員で全力疾走を欠かさずに、見ている人から応援されるようなプレーをしたい。そのうえで勝ち上がっていければ、最高ですね。」



佐賀北の象徴・“がばい旋風”。それは過去の物語ではない。
あの夏を原点に、今を生きる選手たちが、自分たちの風を新たに巻き起こそうとしている。
宮崎淳多が真ん中にいる限り、このチームは決してブレない。
“自分たちらしく”戦う佐賀北の姿が、またひとつ甲子園に刻まれる。

記事
株式会社WIDE - 永石恒陽

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