【頂点に最も近かった者たち】新人戦準優勝 佐賀工業高校 ソフトテニス部主将 西駿介選手 #1

あと一歩だった。
新人戦決勝、「ゲームセット。」コートに響いた終了の声。その瞬間、主将の胸に込み上げたのは、「負けてしまった」という現実だった。
頂点に最も近かったからこそ残った悔しさ。その敗北は、佐賀工業ソフトテニス部を確実に変えた。
かちスポでは、新人戦で届かなかった頂点への一歩を追い求める佐賀工業高校へ取材を行った。取材したのは、主将の西選手と1年生の石井選手。
第1、2弾では、主将の西駿介選手へのインタビューを掲載する。
左:石井選手 右:西主将
第一弾:敗北が変えたチーム
形は良かった。それでも届かなかった
ラリーは続いていた。流れも悪くなかった。自分たちの形が“ハマる”場面も多くあった。
それでも奪われた、あの一点。
「やっぱり悔しかったです。」
とくに印象に残っているのはやはり嬉野高校との一戦。
(3ペアで戦うソフトテニスの団体戦。佐賀工業は決勝リーグ最終戦で嬉野と対戦。互いに2勝で迎えた最終戦は、事実上の決勝。結果は3-0で嬉野が勝利。)
足を使い切れなかった一打。
ほんの少しの“サボり”から生まれたミス。
その差が、すべてを分けたと主将は振り返る。
「もっとやれた」は、言い訳じゃない
試合後、主将の頭に浮かんだのは自分たちへの問いだった。
「新人戦までに、もっとやれたことがあったんじゃないか。」
それは戦術でも技術でもない。
まずは、走ること。足を使うこと。やり切ること。
新人戦後、佐賀工業高校 ソフトテニス部が徹底したのは、シンプルなテーマだった。
――“走る”。
ラリー競技であるソフトテニスにおいて、足を止めた瞬間に勝負は傾く。
だからこそ、もう一度原点に戻った。
一球にこだわるチームへ
劣勢になると、どこか漂ってしまった“負けムード”。
あの空気も、主将は忘れていない。
「もっと一球一球の勝負にこだわってほしかった。」
点差ではない。流れでもない。
目の前の一球を取り切ること。
新人戦準優勝。
それは誇りであると同時に、変化の始まりだった。
そしてこの敗北は、チームだけでなく、主将自身の内側にも火を灯すことになる。
第二弾では、主将が新人戦を経て感じる今の気持ちについて深掘りする。
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