歴史を変えた3連覇 佐賀東・石川&三原が語る、仲間と掴んだ最高の瞬間

第104回全国高校サッカー選手権佐賀大会の決勝が11月8日、鳥栖市の駅前不動産スタジアムで行われ、佐賀東高校が龍谷高校を2―0で破り、3大会連続15度目の優勝を果たした。
「負け年」と呼ばれた世代がついに歴史を塗り替え、見事に県内3冠を達成。
かちすぽでは、チームを支え続けたFW石川僚祐選手とMF三原拓実選手に大会を振り返ってもらった。
―FW石川僚祐選手― インタビュー
「歴史を変える」思いで挑んだ決勝
決勝の笛が鳴った瞬間、石川僚祐選手は、3年間の重みを噛みしめた。「ずっと3年周期で負けるって言われてたんで、歴史を変えるって意味でも勝てたのはうれしかったですけど、自分が得点を取れなかったのは悔しいです」と試合後に語った。
得点にはつながらなかったものの、2点目のPKの起点となったのは石川選手の一撃だった。反転して蹴ったシュートが相手DFの手に当たり、試合を決定づけるPKを呼び込んだ。
副キャプテンとしての責任
昨年から主力としてチームをけん引してきた石川選手は、今年は副キャプテンとしての重責を担った。
「チームを引っ張っていかなくちゃいけないという思いで、プレー面でも声掛けの部分でも意識してやってきた」と振り返る。日々の練習からチームを盛り上げ、仲間たちを信じて戦い抜いた結果、3連覇という最高の形で県大会を締めくくった。
"じゃんけん"で決めたPKキッカー
決勝でのPKシーンでは、FW三原拓実選手とキッカーをめぐって“じゃんけん”をする姿が注目を集めた。じゃんけんに負けてPKキッカーを譲った石川選手は「どっちも蹴りたいってのがあって、じゃんけんしよとなりました。ちょっと遅出しだったんですけど笑 まあ決めてくれたんでよかったです笑」と振り返った。
チームメイトを信頼するその言葉には、3年間で築いた強い絆が感じられた。
全国への挑戦
勝利の余韻に浸る間もなく、石川選手の目はすでに全国大会を見据えている。「県で勝つのは通過点。全国ベスト4を目指してがんばります」と力強く語り、さらなる高みへ意欲を燃やした。
―MF三原拓実選手― インタビュー
左足で豪快に叩き込んだ先制弾
試合の流れを決定づけたのは、前半の三原拓実選手の一撃だった。CKのこぼれ球にいち早く反応し、左足で豪快に叩き込んでチームに待望の先制点をもたらした。
「マジうれしいっす」と試合後に語った三原選手。喜びとともに、これまで積み重ねてきた努力が報われた瞬間でもあった。
「負け年」と呼ばれた世代の意地とプライド
この世代はずっと負け年と呼ばれてきた。それでも三原選手は、仲間とともにその言葉を覆してみせた。
「自分たちは負け年って言われてきて、3連覇も東の歴史の中で1回しかしたことがなくて、2回目の新しい歴史を作れてよかった」と、笑顔の奥に誇りをのぞかせた。
成長のきっかけとなった苦い経験
三原選手の高校生活には、苦い経験もある。「東には指導カード(学校生活上の指導を受けた際に提示されるそう)があって、それを貰っちゃって遠征に帯同できなかった。悔しかったけど、それをきっかけに頑張ろうと思いました。」と語る。
あの出来事が、努力する原動力となり、今の彼を作ったという。「自分が東の10番を背負うなんて想像できなかった」と話す姿には、強い覚悟と成長が滲む。
全国へ、新たな目標
3連覇の喜びを胸に、三原選手も次の舞台を見据える。「全国ベスト4を達成したいと思います」と力強く語り、仲間たちとともに全国の強豪に挑む。
佐賀東高校が出場する第104回全国高等学校サッカー選手権大会は12月28日に開幕し、同校は12月31日の2回戦にて富山県代表の富山第一との初戦を迎える。
株式会社WIDE -