─「快適さ」と「動きやすさ」を追求─ 辻発彦氏×イイダ靴下、“現場の声”から生まれたアンダータイツ共同開発

佐賀県杵島郡江北町に本社をかまえる「イイダ靴下株式会社」が2025年7月、埼玉西武ライオンズ監督経験もある元プロ野球選手・監督 辻発彦氏とアンダータイツを共同開発している。
辻氏の要望を叶える靴下開発
今回の開発は、辻氏からの「夏場でも快適に履ける蒸れにくい薄手のアンダータイツが欲しい」という要望がきっかけとなった。これを受け、イイダ靴下は同社開発の女性用レギンスを監督に送ったところ、その軽やかで伸縮性のある生地感を高く評価された。
辻氏が試着した女性用レギンスと同様のもの
この評価を踏まえ、イイダ靴下と辻氏が共同で「アンダータイツ」の開発を開始。開発過程では、ただ薄くて蒸れにくいだけでなく、動きやすさや耐久性、特に膝周りの固定力とサポート性能を向上させることに重点が置かれ、監督の現場経験を活かした意見を反映させながら、試作が進んでいる。
辻氏のリクエストを反映した試作品
双方の強みを活かした共同開発
イイダ靴下は、100年で培われた技術力や製造のノウハウには自信を持っている。一方、辻氏は長年の野球経験から具体的な要望を持っていた。
この両者が出会うことで、技術力と現場のニーズが補完しあう理想的なコラボレーションが生まれた。
さらに、イイダ靴下はこれまでランニング・ゴルフ分野をはじめとしたスポーツ用の商品の製造を行っており、今回の機会を通じて製品ラインアップの拡充を目指している。
ゴルフ分野の商品
辻氏は、地元・佐賀県の野球を盛り上げたいという思いの元、イイダ靴下の製造現場の技術と品質への信頼、そして地元産業の活性化に寄与する姿勢に共感し、オファーを快諾したという。
本格展開に向けた試作は今も進行中。地元発の新たなスポーツインナーが、どんな形で世に出るのか注目が集まる。
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イイダ靴下株式会社
1919年に創業し、企業からの依頼を中心とした靴下・インナーの企画・製造・販売を行うメーカーである。創業以来、「高付加価値」「国内外問わず『最適地』でつくる」ことにこだわりをもち、時代のニーズに応えたものづくりを続けている。
辻発彦氏
1983年に西武ライオンズにドラフト2位指名を受け入団し、二塁手として西武ライオンズ他、ヤクルトスワローズで活躍。現役引退後はヤクルトスワローズ、横浜ベイスターズ(現DeNA)、日本代表、中日ドラゴンズでコーチを歴任し、2017年から埼玉西武ライオンズで監督を務めた。
2018年、19年にはリーグ優勝を達成し、監督としての確かな手腕も存分に発揮した。現在は主に野球解説者として活躍している。
株式会社WIDE - 永石恒陽